ロープのジャングルジムから生まれた「3D思考」
私の「3D思考」は、ロープでできたジャングルジムからのひらめきが原点にあります。まず、思考を整理するための基盤として、水平方向の広がりを持つマインドマップを捉えました。これは、アイデアや概念が広がる平面と見なせます。
次に、この水平なマインドマップに縦のロープを絡ませることで、一次元の思考軸が加わるのではないかと考えました。さらに、夢で見た「大地に苔が繁殖し、そこに雨が降る」という情景がこの発想を深めました。この「雨が降るポイント」に、まるで雑草が生えるように思考の要素が加わっていくイメージは、さらなる次元の増加を示唆していました。
そして、この「雑草」の発生を関数として捉えることで、私の「3D思考システム」が構築できるという結論に至りました。マインドマップと関数、この二つの要素を繰り返し用い、改良を重ねていくことで、より洗練された思考ツールになると確信しています。時間の概念を追加することも可能と思います。
「3D思考」の深化
最終的に目指すのは、マインドマップで広げた思考の分岐点に、関連するアイデアのまとまりを関数的に集約・結合させることです。このプロセスを繰り返すことで、高次元の情報処理システムを構築できると考え、これを**「3D思考」**と名付けました。この思考法は、複雑な問題や多層的な情報を、より立体的に、そして効率的に分析・解決するための新しいアプローチとなるでしょう。
3Dの関数
- 言葉の深層を掴む:記号的理解と文脈把握の重要性
- 私たちは言葉を通じてコミュニケーションを図りますが、その意味は表面的な文字通りだけでは捉えきれないことがあります。以下に示す概念は、言葉の奥に潜む意味や、その伝え方によるニュアンスの変化を理解するための重要な視点です。特に、記号的に捉えることで、より明確にその違いを把握できます。
- 行間を読む(ぎょうかんをよむ)
- 意味: 文章に明示されていない、書き手の意図や背景、感情などを読み取ること。
- 記号的理解: 表現された情報(言葉)に対して、省略された情報(背景、意図、感情など)を補完する行為。
- 言葉explicit +背景implicit =真の理解
- 解説: 書き手は、伝えたいこと全てを文字にすることはできません。時間、スペース、あるいは読者の知識レベルを考慮し、一部を「切り捨てる」ことがあります。この切り捨てられた部分や、暗に示された部分を、読者が自らの知識や推測力で補い、全体像を理解する行為が「行間を読む」ということです。
- 眼光鋭く紙背を徹す(がんこうするどくしはいをてっす)
- 意味: 書かれている内容の表面だけでなく、その背後にある深い意味や、筆者の真意、そして文章全体の論理的な繋がりを根本から理解すること。始まりから終わりまで、一貫したメッセージがどのように展開されているかを把握する。
- 記号的理解: 文章の各要素が線で繋がっており、その線が全体としてどのような図形(論理構造)を描いているかを視覚的に捉えるイメージ。
- A→B→C→D(各要素の繋がり) * 全体の意図=Σ(A,B,C,D)
- 解説: 一つの文章や論説は、単なる単語や文の羅列ではありません。筆者の「言いたいこと」は、始まりから終わりまで一つの大きな流れとして繋がっています。この繋がりを見抜き、各要素がどのように最終的な結論や主張に寄与しているかを深く理解することが重要です。
- 語順による意味の変化:強調点と結論(例:美味しいが、高い vs. 高いが、美味しい)
- 「美味しいが、高い。」
- 記号的理解: 美味しい(+) → しかし、高い(-) [結論:高い(-)がより強調される]
- 美味しい<高い
- 「高いが、美味しい。」
- 記号的理解: 高い(-) → しかし、美味しい(+) [結論:美味しい(+)がより強調される]
- 美味しい>高い
- 解説: 日本語の逆接の接続助詞「が」を使う場合、その後に続く情報が、話し手が最終的に伝えたい、あるいは強調したい内容になる傾向があります。先に提示された内容は前提や譲歩であり、後が本題の判断や評価となるのです。
- 助詞による関係性の変化:本質と存在(例:目は涙 vs. 目には涙)
- 「目は涙。」
- 記号的理解: 目 = 涙 (目と涙が同一、または目全体が涙で構成されているかのような状態)
- 解説: 主語を示す助詞「は」を用いることで、「目」と「涙」が本質的に同一であるかのような、あるいは「目」が完全に「涙」の状態であることを強調します。感情が溢れて目が涙そのものになっている、という強い表現です。
- 「目には涙。」
- 記号的理解: 目 ⊃ 涙 (目の中に涙が存在している状態。目は涙の容器)
- 解説: 場所や存在を示す助詞「に」を用いることで、「目」の中に「涙」がある、という事実を客観的に示します。目は涙を含んでいるが、目そのものが涙ではない、という関係性を表します。
- 接続助詞の厳密な意味:及び(and)と又は(or)
- 及び(および):結合・両立(and)
- 記号的理解: A∧B (AとBの両方が成り立つ)
- 例: 「乗車券及び特急券」の場合、一つの列車に乗るためには「乗車券」と「特急券」の両方が必要であり、同時にその効力が成立します。
- 又は(または):選択・排他(or、XORの意味合いが強いことも)
- 記号的理解: A∨B(AまたはBのどちらかが成り立つ。文脈によっては排他的論理和A⊕B の意味合い)
- 例: 「飛行機又は船」の場合、その者は「飛行機に乗っていたか」、あるいは「船に乗っていたか」のどちらか一方が成立します。同じ瞬間に同じ人が飛行機と船の両方に乗ることは物理的に不可能であるため、これは並行して存在できない事象における選択を示します。
- 公平と公正:平等の質の違い
- 公平(こうへい):機会・扱いの一律性(Equality)
- 記号的理解: → 全員に同じ基準・同じものを与える(水平な状態)
- 解説: まさに水平に真っ平らな状態であり、凸凹がないように、全ての人に対して全く同じ条件や機会、扱いを与えることを指します。結果として不平が生じる可能性があっても、扱いは一律です。
- 公正(こうせい):状況に応じた是正と正当性(Equity/Justice)
- 記号的理解: → 状況に応じて異なるものを与えることで、最終的に皆が同じ高さ(状態)に到達できるようにする(理由があれば違いを許容する)
- 解説: 表面的な一律さではなく、それぞれの状況や必要性に応じて扱いに違いがあっても、それが理屈に基づき、最終的に道理にかなった正しい結果をもたらすことを指します。例えば、背の低い人には踏み台を提供するなど、実質的な平等を目指します。
「聞く力」と「情報収集術」:目的達成のための対話と準備
対話を通じて目的を達成し、必要な情報を効率的かつ効果的に得るためには、単に質問を投げかけるだけでなく、戦略的な準備と繊細なコミュニケーション術が不可欠です。
1.対話設計と事前準備の原則
- 相手への理解促進と情報整理:
- わかりやすさの追求: 伝えたい内容(聞きたいこと)は、テキスト、図、動画など、相手にとって最も理解しやすい形式に工夫してまとめましょう。
- 訪問目的の明確化と演出: 相手にとって、なぜこの対話が有益なのかを明確にし、その訪問が相手にとって「相応しい」と感じられるように目的を演出します。
- 社会意義との結びつけ: 可能であれば、あなたの問いや提案が、相手の業務や組織、さらには社会全体にどのような良い影響を与えるのかをアピールし、大義名分を持たせましょう。
- 対話のきっかけ作り(呼水・事例):
- 相手があなたの聞きたい内容に関連する話を自然に思いつくように、「呼水(よみず)」を用意しておきましょう。具体的には、聞きたいことの具体的な事例や関連する話題を事前に提示し、相手の思考を誘導します。
- 徹底した事前調査:
- 事前に知り得る範囲で、相手の経歴、担当業務、組織の状況、関連する報道などを徹底的に把握しておきます。これにより、質問の質が向上し、相手への敬意も示せます。
- 時間管理の明確化:
- 対話の冒頭で、相手から「今日お時間をいただけるのはどれくらいでしょうか?」のように、許容される時間を最初に確認します。これにより、相手の都合を尊重し、効率的な対話が可能です。
- アポイントメントと柔軟性:
- 可能な限り事前にアポイントメントを取り付けましょう。しかし、状況によっては「抜き打ち(アポイントなしの訪問)」が効果的な場合もあります。これは相手の状況や目的によって判断が必要です。
- シナリオとメモの準備:
- 事前に聞きたいこと、伝えたいこと、想定される相手の反応などを盛り込んだシナリオを作成し、メモとして手元に用意しておきましょう。これにより、対話がスムーズに進み、聞き漏らしを防げます。
- 相手への利益提示:
- もし相手にとって何らかの利益(情報提供、協力関係の構築、問題解決の糸口など)がある場合は、それを押し付けがましくなく、それとなくアピールします。
2.対話中の「聞く」技術
- 辛抱強い傾聴:
- 相手が話している間は、途中で遮らず、辛抱強く耳を傾けましょう。これは相手への敬意を示すとともに、真意を引き出すために不可欠です。
- 次の展開への布石:
- 相手の話の中に、次に聞きたいことや、新たな展開に繋がる「キーワード」がないか常に意識して探しましょう。そのキーワードを基に、次の質問や話題を展開することで、自然で深い対話が可能です。
- 感謝の表明:
- 時間を取ってもらったことに対し、まず最初にお礼を伝えましょう。基本的なマナーであり、良好な関係を築く第一歩です。
- 網羅的な聞き方(投網の聞き方):
- 情報を漏らさず広く捉えるために、まるで投網を打つように、関連する可能性のある幅広い質問を投げかけ、多くの情報を収集する聞き方を心がけます。
- 核心を突く聞き方(ピンポイントの聞き方):
- 一方で、本当に知りたい核心情報に到達するためには、相手を強制的に追い込むように、具体的な事柄をピンポイントで詰めて聞く技術も必要です。これは、広範な情報収集の後に、焦点を絞る際に特に有効です。
- 信頼性向上のための呼びかけ:
- 相手の信頼性を高め、会話への集中を促すために、会話の節目や重要な質問の際に、相手の名前を口に出して呼びかけましょう。
- 業務構造を考慮した情報引き出し:
- 特に役所や組織から情報を得る場合、その組織の業務構造を深く理解した上で質問を組み立てましょう。例えば、
- マニュアルや取扱諸則の有無: 特定の業務に関するマニュアルや内部規定の有無を尋ねることで、組織的な情報やプロセスを知ることができます。
- 議事録の活用: 議会後や会議後は、議事録の有無を確認し、それを参照するよう促すことで、公開された形で詳細な情報を得られることがあります。
- 事例: 「雇用三法(労働基準法、労働契約法、労働組合法)に関する1年度前の資料」、「筋交計算の業務課内教育マニュアル」、「道路拡張計画書」などを得られた経験は、この手法の有効性を示しています。
- 粘り強さと理由の追求:
- 特に役所など、情報開示に慎重な組織に対しては、一度で諦めず、「しつこく聞く」粘り強さが必要です。「さざなみ」のように何度も、そして「手を替え品を替え」てアプローチしましょう。
- もし情報が得られない場合は、その「理由」を具体的に聞くことで、次のアプローチのヒントを得たり、情報の性質(非公開情報など)を理解することができます。
倒産の前兆となる主なシグナル
資金繰り悪化の兆候
- 支払いの遅延やサイトの変更: これが最も直接的で危険なシグナルです。以前は期日通りだった支払いが遅れたり、支払いサイトの延長を要求されたりする場合は、資金繰りが逼迫している可能性が高いです。
- 不定期な支払い: 以前は定期的に支払っていたにもかかわらず、支払日が不定期になったり、分割払いを要求されたりするケースも要注意です。
- 手形の多用・不渡り: 現金払いが減り、手形での支払いが急増したり、不渡り情報が入ってくる場合は極めて危険な状態です。
- 割引手形の増加: 資金調達のために、受け取った手形を割引に出すケースが増えることもあります。
- 役員借入金の増加: 会社の運転資金を役員個人の資金で賄っている場合、経営状況が厳しい可能性があります。
経営状況悪化の兆候
- 在庫の滞留・増加: 商品が売れ残り、在庫が異常に積み上がっている状態は、売上不振の明確なサインです。
- 中堅社員やベテラン社員の離職: 会社の将来に不安を感じた優秀な人材が流出している可能性があります。
- 不可解な電話や問い合わせの増加: 金融機関や取引先からの問い合わせが増えるなど、普段と異なる動きがある場合は注意が必要です。
- 注文単位の縮小・発注サイクルの長期化: これまでまとまった単位で発注していたものが小口になり、発注頻度が減る場合は、需要の低迷や先行きの不透明感を反映している可能性があります。
- 社内環境の悪化: オフィスが整理整頓されていなかったり、従業員の士気が低下しているように見える場合も、経営状況の悪化を反映していることがあります。
- 過度なコスト削減: 経費削減のために、これまで行っていた投資やメンテナンスを極端に控えるような動きも要注意です。
- メインバンクの変更: これまでの取引銀行から突然メインバンクを変更する場合、既存銀行からの融資が難しくなった可能性があります。
- 代表者や役員への連絡がつきにくい: 連絡がつきにくくなったり、対応が遅くなったりする場合、何らかの問題を抱えている可能性があります。
外部要因
- 業界全体の不況: 取引先が属する業界全体が厳しい状況にある場合、個別の企業もその影響を受けやすくなります。
- 信用情報の変化: 帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査会社の情報に変化がないか、定期的に確認することも重要です。
営業担当者への提言
これらのシグナルは単独で判断するのではなく、複数組み合わせて複合的に判断することが重要です。また、日頃から取引先との密なコミュニケーションを心がけ、些細な変化も見逃さない観察眼を養うことが肝要です。
日常的に実践すべきこと
- 訪問頻度の維持と情報収集: 定期的に取引先を訪問し、担当者だけでなく、可能であれば他の社員の方ともコミュニケーションをとることで、社内の雰囲気や動きを肌で感じ取ることができます。
- 業界情報の把握: 取引先の業界動向や競合他社の状況を常にチェックし、取引先の位置付けを把握しておきましょう。
- 情報共有の徹底: 営業部門内や関係部署間で、取引先に関する情報をタイムリーに共有する仕組みを構築しましょう。
- 与信管理部門との連携: 営業担当者自身が察知したシグナルを、与信管理部門や経営層に速やかに報告し、連携して対応を検討することが重要です。
これらのシグナルに早期に気づくことで、債権保全のための対策や、新たな取引先の開拓など、迅速な対応を取ることが可能になります。
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